「テニスが上手くなりたいなら、たくさん練習しろ」
そんな声を、これまで何度も耳にしてきたのではないでしょうか。
たしかに、時間がある学生やプロ選手にとっては正論です。
しかし、社会人にとってはまったく現実的ではありません。
仕事、家庭、体力、年齢──。
「時間がない」のは、もう言い訳ではなく前提条件です。
でも、逆に考えてみてください。
時間が限られているからこそ、「ムダな練習はできない」。
だからこそ、「効率のいい上達法」に本気で向き合えるのです。
現代テニスでは、“構造理解”と“再現性”が勝敗を決めます。
つまり、ただ「感覚で打つ」時代は終わりました。
フォーム、ポジショニング、ショット選択。
これらを頭と身体で“設計”し、再現できるようになること。
これこそが、週1回でも勝てる人になる最短ルートです。
週1練習でも成果を出す3原則
週1回の練習で成果を出すには、「上手くなるための原則」を設計する必要があります。
以下に紹介する3原則は、数多くの社会人プレーヤーが成果を出してきた“核”の部分です。
原則① テーマ集中
1回の練習で、あれもこれもやろうとすると、結局「何も身につかない」まま終わってしまいます。
だからこそ、その日の練習テーマは1つに絞るのが原則です。
例えば、「今日はバックハンドの安定性だけを磨く」と決める。
サーブは?フォアは?試合形式?それらは、今日はやりません。
この“やらない勇気”こそ、週1練習の最大の武器です。
原則② 動画×フィードバック
いまやスマートフォン一台あれば、自分のフォームを簡単に撮影できます。
上達する人は、必ずといっていいほど「自分の映像を見ています」。
感覚だけに頼らず、客観的な目線でフィードバックを得ること。
これはプロでも続けている基本であり、社会人でもできる“再現性強化術”です。
たった1回のスイングを見返すだけで、「え、こんなクセあったんだ」と驚くことも。
SNSに投稿すれば、フィードバックや共感も得られてモチベ維持にもつながります。
原則③ やらないことを決める
一番重要なのは、「今日は何をやらないか」を明確にすること。
それは単に時間短縮のためではありません。
上達には、「意図的な反復」と「変数の制限」が必要だからです。
例えば、「今日はネットプレーを一切封印して、ストロークだけに集中する」など。
制限することで、深く身につく。
週1の限られた時間だからこそ、“絞る設計”が上達の鍵になります。
具体的な練習メニュー例(90分Ver)
では、実際に「週1・90分」の練習でどんな構成が効果的か?
以下は、成果を出した社会人たちの実践例を元に構成されたメニューです。
【10分】ウォームアップ+今日のテーマ確認
身体をほぐしながら、「今日は何をやるか」をチーム・相手と確認。
意識の共有が、成果を大きく左右します。
【60分】テーマドリル(球出し・ラリー)
球出し練習やラリーで、テーマに絞った練習を反復。
たとえば「深いバックハンド」「クロスへのコントロール」など。
反復中にスマホで撮影し、途中にフィードバックタイムを入れましょう。
【20分】ミニマッチ+動画確認
試合形式で、今日のテーマが試合で活きるかを検証。
その後、動画を見返しながら「次回の課題」や「気づき」をメモします。
週1テニスを習慣化する5つの工夫
「やる気」だけでは続かないのが社会人。
だからこそ、仕組みと習慣の設計が必要です。
① 固定スケジュールの確保
「毎週土曜の朝9時はテニス」と決めて、スケジュールに“予約”する。
② 練習ログをSNSにアップ
InstagramのストーリーズやXに「練習メモ」を投稿すると、他人の目がモチベ維持に。
③ フォーム動画を“日記化”
毎週同じアングルでフォーム撮影し、「成長の記録」として残す。
④ 週1でも“復習”を習慣に
練習の振り返りを通勤時間にするだけでも、記憶が強化されます。
⑤ モチベ維持の「仕組み」を持つ
大会に申し込む、チームに所属する、仲間と練習ルールを決めるなど、“外の要因”を味方につける。
実例紹介|週1で市民大会ベスト4になった男性の話
神奈川県在住のAさん(38歳・会社員)。
週6勤務の営業職で、家庭には2人の子ども。平日はテニスどころではありません。
それでも、「学生時代のようにもう一度、試合で勝ちたい」という想いを捨てきれず、
週1回だけ、土曜朝の90分を練習に充てると決めました。
やったことは、ただ一つ。やらないことを決める“構造的練習”。
毎回テーマを1つ決めて、スマホで撮影→反省→修正→試合で試す、を繰り返しました。
半年後、市民大会でベスト4。
「練習量じゃない。“考えて練習する力”が一番大事だった」とAさんは語ります。
よくある誤解とNG練習
多くの社会人が「上達しない」と悩むのは、努力の方向がズレているからです。
「たくさん打てばうまくなる」は間違い?
量だけの反復は、“クセの定着”にもなり得ます。
質の伴わない練習は、むしろ遠回りです。
「走り込み」「筋トレ」だけじゃ勝てない理由
体力は武器ですが、試合に勝つのは“選択と戦略”。
ボールをどう処理するかの判断力が鍵です。
「毎回違うことをやる」はNG
テーマが毎回違うと、脳が学習を整理できず、上達が定着しません。
“集中反復”が習得への王道です。
まとめ|社会人でも「勝てる」練習はできる
テニスの上達は、時間の量で決まるものではありません。
限られた時間の中で、「何を」「どう」練習するかがすべてです。
週1回・90分でも、
● テーマを1つに絞る
● 動画でフィードバックを得る
● やらないことを決める
この3つを徹底するだけで、驚くほど成果は変わってきます。
あなたも、今日からスマホでフォームを撮ってみましょう。
“設計された練習”が、週1プレーヤーの未来を変えます。
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